健康

ペット 避妊・去勢手術の重要性

避妊・去勢手術は、ペットの健康を守り、望まない繁殖を防ぐためにとても重要な選択です。命を迎えるということは、その命に責任を持つこと。安易な繁殖が命の重さを軽んじる結果にならないように、飼い主として真剣に考える必要があります。

避妊・去勢手術とは?

  • 避妊手術:メスの卵巣や子宮を取り除く手術
  • 去勢手術:オスの精巣を取り除く手術

どちらも一般的には生後6カ月〜1歳の間に行われることが多く、体調や成長具合を見ながら獣医師と相談して決めるのが一般的です。

避妊・去勢をするメリット

  1. 病気の予防
     - メス:子宮蓄膿症や乳腺腫瘍など、命に関わる病気のリスクを減らせます。
     - オス:前立腺肥大、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍などの予防につながります。
  2. 問題行動の抑制
     - オスのマーキングや攻撃性、発情期の鳴き声や暴れなどが軽減されます。
     - メスの発情によるストレスや出血もなくなり、生活が落ち着きます。
  3. 望まない繁殖の防止
     万が一、外に逃げてしまったときや、多頭飼いの中で意図しない交配が起きた場合でも、妊娠のリスクを防げます。特に猫は発情期が年に数回あり、短期間で多くの子猫を産むため、避妊の重要性が高いです。

よくある誤解とその真実

  • 「かわいそうだから手術はしたくない」
     →手術の一時的な痛みよりも、将来的な病気やストレスから解放されるメリットの方が大きいとされています。
  • 「自然のままが一番」
     →本来の自然とは、野生で生きる環境を指します。家庭で飼われるペットにとっては、医療や管理によるサポートが“新しい自然”です。
  • 「子どもを産ませてみたい」
     →命を増やすことは簡単でも、責任を持って育てるのは大変です。全ての子犬・子猫に新しい飼い主が見つかる保証はありません。

地域の事情にも配慮を

日本では今なお、年間で多くの犬や猫が保健所などで引き取られ、命を失っています。その背景には「捨てられた子」や「飼えなくなった繁殖」があります。避妊・去勢はこうした悲しい現実を減らすための、私たちにできる最も確実な方法の一つです。

たとえば、筆者の地域では、猫の野良化を防ぐために「TNR活動(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す)」が行われています。これにより地域の猫の数がコントロールされ、トラブルも減少しているとのことです。

獣医師との相談が大切

手術の時期や方法、体調管理については、必ず獣医師と相談してください。術後のケア(エリザベスカラー着用や安静期間)も含めて、事前にしっかり準備を整えることが安心につながります。

避妊・去勢は「命に向き合う覚悟」の一部です。愛するペットが健康に、そして周囲と調和して暮らしていけるように、正しい知識と責任ある判断が求められます。

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