ペットの避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、健康面や行動面にもさまざまなメリットがあります。しかし、手術にはリスクも伴うため、飼い主として正しい知識を持ち、最適なタイミングで決断することが大切です。ここでは、避妊・去勢手術の必要性、メリット・デメリット、適切な時期について詳しく解説します。
1. 避妊・去勢手術とは
✅ 避妊手術（メス）
- 卵巣や子宮を摘出 し、妊娠を防ぐ手術。
- 手術時間：約30分～1時間（全身麻酔）。
- 手術後は約1週間の経過観察が必要。
✅ 去勢手術（オス）
- 精巣を摘出 し、繁殖能力をなくす手術。
- 手術時間：約20～30分（全身麻酔）。
- メスよりも体への負担が少なく、回復が早い。
2. 避妊・去勢手術のメリット
✅ 健康リスクの軽減
- メス：子宮蓄膿症・乳腺腫瘍の予防
- オス：精巣腫瘍・前立腺肥大の予防
- ホルモンの影響による病気を防ぎ、寿命が延びる可能性がある。
✅ 問題行動の抑制
- 発情期のストレスを軽減（夜鳴き・マーキング・攻撃性の減少）。
- 縄張り意識が弱まり、多頭飼いでもトラブルが少なくなる。
✅ 望まない妊娠を防ぐ
- 特に猫は発情期の妊娠率が高く、適切に管理しないと短期間で増えてしまう 可能性がある。
- 避妊手術をしないと、発情期ごとにストレスがかかる。
3. 避妊・去勢手術のデメリット
✅ 手術によるリスク
- 全身麻酔を使用するため、高齢のペットや持病がある場合は慎重に検討する必要がある。
- 術後に傷口を舐めてしまうと感染のリスクがあるため、エリザベスカラーを装着することが多い。
✅ 太りやすくなる可能性
- ホルモンバランスが変わることで、代謝が落ち、肥満になりやすい。
- 食事管理と適度な運動を意識することで予防できる。
✅ 繁殖を望む場合には適さない
- 繁殖を希望する場合は、計画的に交配を考える必要がある。
4. 手術の適切なタイミング
✅ 犬の場合
- 生後6か月～1歳頃が一般的。
- 初めての発情前に手術をすると、乳腺腫瘍のリスクが大幅に下がる という研究結果もある。
✅ 猫の場合
- 生後5～6か月頃（発情前に手術すると、発情ストレスを防げる）。
- 完全室内飼いでも、発情期のストレスを軽減するため、手術を検討するのが望ましい。
5. 手術後のケア
✅ 術後の経過観察
- 手術当日は安静にし、食事は様子を見ながら少しずつ与える。
- 傷口を舐めないように エリザベスカラー を装着。
✅ 食事管理と運動
- 避妊・去勢後は 低カロリーのフード に切り替え、体重管理を行う。
- 適度な運動を取り入れ、肥満を防ぐ。
6. 事例：手術をしなかった猫の健康リスク
ある家庭では、「自然のままがいい」と考え、メス猫に避妊手術をしませんでした。しかし、8歳を迎えたころ、子宮蓄膿症を発症。発見が遅れると命に関わる病気のため、緊急手術をすることになりました。
獣医師から「若いうちに避妊手術をしておけば防げた病気」と言われ、後悔したそうです。この経験から、他の飼い主にも「避妊手術は健康管理の一環として大切」と伝えています。
まとめ
避妊・去勢手術は、病気予防・ストレス軽減・問題行動の抑制 など、多くのメリットがあります。適切な時期に手術を受けることで、ペットの健康を守り、快適な生活をサポートできます。
手術のリスクやデメリットも考慮しながら、獣医師と相談し、ペットにとって最適な選択をしましょう。
