ペットの健康を守るために、予防接種や定期的な医療ケアは欠かせません。ワクチン接種は、感染症を予防し、ペットの寿命を延ばすために重要な役割を果たします。また、病気の早期発見・早期治療のために、適切な医療ケアを行うことが大切です。ここでは、ペットに必要なワクチン接種と医療ケアについて詳しく解説します。
1. 犬の予防接種
✅ 狂犬病ワクチン(法律で義務付け)
- 日本では、犬の飼い主は 年に1回、狂犬病予防接種を受けることが義務 となっています。
- 予防接種後には、市区町村で登録手続きを行い、鑑札と注射済票を受け取る必要があります。
✅ 混合ワクチン(推奨)
犬の混合ワクチンには、さまざまな感染症を予防するための種類があります。
ワクチンの種類 | 予防できる病気 | 接種頻度 |
---|---|---|
5種混合ワクチン | 犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎など | 年1回 |
7種混合ワクチン | 5種+レプトスピラ感染症 | 年1回 |
9種混合ワクチン | 7種+さらに感染リスクのある病気 | 年1回 |
- どのワクチンを選ぶか は、住んでいる地域の感染症の流行状況や、犬の生活環境によって変わります。獣医師と相談して決めましょう。
✅ フィラリア予防(蚊を媒介する寄生虫予防)
- フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫による病気 で、心臓や肺にダメージを与え、重症化すると死に至ることもあります。
- 予防薬は、毎月1回の投薬(錠剤・チュアブル・滴下タイプ) または 年1回の注射 で防ぐことができます。
- 予防期間:4月~12月(蚊の活動時期)
✅ ノミ・ダニ予防
- 犬が草むらを散歩する機会が多い場合は、ノミ・ダニ駆除薬 を定期的に使用するのが望ましい。
- 駆除薬は スポットタイプ(首元に垂らす)や飲み薬タイプ などがある。
2. 猫の予防接種
✅ 3種混合ワクチン(基本)
- 猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪の原因)
- 猫カリシウイルス感染症(くしゃみ・鼻水・口内炎の原因)
- 猫汎白血球減少症(下痢や嘔吐を引き起こす感染症)
✅ 5種混合ワクチン(追加)
- 3種に加え、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫クラミジア感染症 を予防できる。
- 外に出る機会が多い猫は、5種以上のワクチンが推奨 される。
✅ 猫エイズ(FIV)ワクチン
- 外に出る猫や、多頭飼いの家庭では 猫エイズワクチン の接種を検討する。
- FIVは、猫同士のケンカや噛みつきによって感染するため、室内飼いの猫はリスクが低い。
✅ ノミ・ダニ予防
- 猫も ノミ・ダニ予防薬(スポットタイプや錠剤)を定期的に使用すると、皮膚病や寄生虫感染のリスクを減らせる。
3. 定期的な医療ケア
✅ 歯のケア(デンタルケア)
- 犬や猫も 歯周病 になることがあり、放置すると歯が抜けたり、口臭や内臓疾患の原因 になる。
- 週に数回は歯磨きをするのが理想。慣れない場合は デンタルシートや歯磨きガム を活用。
✅ 定期的な健康診断
- 1歳以上の成犬・成猫は、年に1回 の健康診断が推奨される。
- シニア期(7歳以上)になると、半年に1回 の健康チェックをすると安心。
✅ 避妊・去勢手術
- 犬や猫の避妊・去勢手術は、生後6か月~1歳頃が適切な時期。
- 手術のメリット
- 望まない妊娠を防ぐ
- 発情期のストレスを軽減
- 子宮蓄膿症や精巣腫瘍などの病気リスクを低減
4. 事例:ワクチンを怠って感染症になった猫
ある家庭では、完全室内飼いだからといって、猫のワクチン接種をしていませんでした。しかし、家族が外から持ち込んだウイルスが原因で、猫が猫カリシウイルス感染症 にかかってしまい、長期間の治療が必要になりました。
「完全室内飼いでも、病気のリスクはゼロではない」と実感し、それ以来、毎年のワクチン接種を欠かさず行うようになった そうです。
まとめ
ペットの健康を守るためには、ワクチン接種や定期的な医療ケアが不可欠 です。特に、犬の狂犬病ワクチンは義務であり、猫の感染症も予防可能な病気が多いため、早めの対策が重要です。
また、フィラリア予防やノミ・ダニ対策、歯のケアも健康維持のポイント になります。適切な医療ケアを行い、ペットが長く元気に過ごせるようにしましょう。